【 日商簿記1級 】合格体験記【 かーなーさん 】

簿記の教室メイプルtwitter校1級上級クラス(3期生)のかーなーです。
2021年11月に行われた第159回日商簿記検定試験で1級に合格することができました。
これまでの道のりを合格体験記としてご紹介したいと思います。

私のこと

Twitterで交流のある方はご存じかもしれませんが、私は未就学児二人を育てる所謂ワーキングマザーです。
ただし、かなり恵まれている部分も多くあります。

・毎日定時上がり
・通勤電車はテキストを広げられる
・夫は家事育児丸投げOK
・子どもはとても丈夫(病気が少ない)など

もっと大変な状況で頑張っている方もいらっしゃるかと思います。それでも何かお役に立てることがあれば嬉しいですので、ありのままの状況をお伝えしていきます。

勉強の方針

日々勉強に充てられる絶対時間数が少ないので、私が心がけているのは“質を上げること”です。ここで言う“質”は勉強のノウハウではなく自分自身のコンディションを整えることです。

睡眠時間を確保する、判断は最小限にする、の2点を意識して生活の見直しをしました。睡眠時間は夜ももちろんですが、昼食後に職場の席で10分ほど仮眠も取るようにしていました。

判断は最小限にするというのは具体的には、仕事で職務を超えたことは適切に依頼する、朝夕の家事はチェックリストで管理、勉強の計画は細かくしすぎないなどです。

勉強のツールはほとんどアナログでしたが、大きく困ったことがなく、デジタルへ移行する判断をわざわざする気にはならなかったというのが本音です。

実際の勉強方法

勉強時間は平日だと通勤の電車で最大で15分ほど×2(往復)、昼休み20分ほど、就寝前に最大で1時間半ほどで、就寝前は実際にはできない日もありました。休日は数時間できる日と家族との外出などでほとんどできない日のムラがありました。

自宅では講義動画の視聴と時間を計って解く問題を優先し、テキストの読み込みや時間制限のない問題を解くのは移動中でもできるようにクリップボードと教材を持ち歩いていました。

また、Twitterで勉強についてつぶやくときには、不明点や理解したことなどの“内容”を自分なりの言葉でまとめるようにしていました。

試験当日まで

基礎講座期間(2020年3月~10月)

受講中を思い返してみて、私にとっては基礎講座が一番つらい時期でした。

独学をしていた2級まではテキストメインだったのが、1級講座では動画講義がメインになりました。動画でのインプットが向いていなかったので、長らく試行錯誤していました。

学習の進め方も講座に合わせて変えており、毎週提出していた確認テストは全然振るいませんでした。(当時はTwitterで成績優秀者の発表がありました。私の名前が載ったのは1回、一番少なかったです。)2級までの内容はそれなりに理解していたつもりだったので、ずっともどかしい思いをしていました。

試験対策(2020年11月~2021年2月)

2020年9月に、特例で2月試験の第157回でも1級が受験できると発表され、私たち3期生は2月(第157回)受験組と6月(第158回)受験組に分かれました。私はすでにいっぱいいっぱいだったので、当初の予定通り6月受験で進めることにしました。

試験対策からは独学の頃に行っていた学習スタイルを思い出し、楽しく順調に進めることができました。私は、ざっくりテキストを読む→理解できなくても問題を解く→間違った部分のテキストを精読するまでをワンセットで行っています。“理解できなくても問題を解く”のに確認テストを使用していました。

採点後は解説動画を確認しながら、各論点をA5ノート2ページ程度にまとめて自分用のあんちょこを作成していました。また、基礎講座の間はほとんど手をつけられなかった総合問題集も取り組み始めました。総合問題集はとても良い教材だと思うので本当はもう少し早く手をつけられれば良かったかなと思います。

答案練習(2021年3月~4月)

答案練習も試験対策と同じ要領で進め、順調だったと思います。

ただ、初見で問題を解く時間が試験対策の60分から答案練習では90分に変わったことで睡眠時間を削るようになり、体は辛い時期でした。

第158回試験まで(2021年5月~6月)

過去問大会、定期試験などの企画には毎回参加していました。

試験対策の時期に仕上げきれなかったあんちょこノートの作成を続けたり総合問題集を解いたりして論点の穴を埋めるようにしました。

第158回試験(2021年6月13日)

一発合格ならずでした。

あまり良い問題ではないと言われていましたが、結果は64点、続ければいつかは合格できるという手応えを掴みました。

第159回試験まで(2021年6月~2021年11月)

前回試験後1ヶ月ほどリフレッシュした後、南先生の指導通り全ての確認テストに時間内満点を目指して取り組みました。ここで、あんちょこノートは大活躍しました。

9月には『確認テストを確認するテスト』という企画に参加し、自身の理解度を再確認しました。実はこの時点でまだ確認テスト時間内満点は完了しておらず、『確認テストを確認するテスト』の解き直しも含めて基礎のおさらいは11月初旬までかかりました。その後は試験対策で苦手論点を抜き出し知識の穴埋めを行いました。

実は試験の申込開始日をうっかり確認し忘れており、なんとか片道3時間かかる試験会場の空きを見つけて申込をしました。

第159回試験(2021年11月21日)~合格発表

試験当日、商会は商業簿記が最後の定期試験で出た在外支店のある本支店会計でした。

本来ならラッキーなのですが、定期試験の見直しまで手が回っていなかった私はむしろ動揺していました。なんとか「取れるところを取る」と自分に言い聞かせて問題を解き進めました。

工原は苦手意識はないものの、ケアレスミスをしがちなので時間いっぱいまでしつこく確認をしました。……が、解答速報を見てみると微妙に値が違っていたように思ったので、その時点で「得意な方の工原が取れていないなら、今回もダメだな」と諦めていました。(第158回試験からは問題や計算用紙など持ち出しが一切できなくなっているので、詳細な振り返りはしていません。)

合格発表まで、半月ほどリフレッシュした後は、まだ完了していない総合問題集を解きながら過ごしていました。そして、合格発表当日は職場へ受験票を持参し、昼休みに商工会議所のページを確認しました。番号を見つけたときは「まさか!」と本当に驚き、何度も番号を確認しました。

点数は

商業簿記:21点
会計学:17点
工業簿記:18点
原価計算:23点
合計:79点

当日感じたよりも手堅く得点していたようです。特に商業簿記と会計学はかなり点数がアップしている印象でした。

まとめ

難関資格と言われることもある日商簿記1級ですが、取り組み続けていればいつかは合格できるものと感じています。ただ、範囲が広いためいつまで続けるのか気が遠くなりますし、学習を続けることが精神的に苦しくなったこともあります。

私の勉強方法は、時間は記録しない、字が汚い、ノートのセンスがない、解いたプリントは片っ端から捨てる……とにかく“映えない”のでTwitterを覗いて「こんなに辛いのにみんなの過程には及ばない、私には無理なのでは」という考えが浮かぶことも何度かありました。

そういう時に良かったのは初心にかえることです。

私が1級合格を目指したのは、手頃なところで妥協する自分、コツコツ続けることが苦手な自分を克服するためでした。そう考えると、一見無理そう“だからこそ”まとまった時間が取れない“だからこそ”私にとって意味のある挑戦でした。

ここまで私自身のやってきたことを書きましたが、合格を遂げることができたのはひとえに周りの皆様のおかげです。どこまでも受講生のために動いてくださるメイプルの先生方、刺激をくれた1級の仲間たち、楽しく優しく応援してくれた皆様、その存在が前進し続ける力をくれました。

本当に本当にありがとうございました!
(夫と子どもたちも頑張りました!)